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気ままに綴る日々

珍事件

伊是名島には、たくさん、猫がいる。

猫みて、わーきゃー言うタイプでもないけど、
あっ、猫だ。くらいは思うわけ。

でも、伊是名の猫は、ちっとも
人慣れしてなくて、
全然、かわいくない 笑

4mくらい近づくとすぐ逃げる。

かわいいというより、
むしろ、家の網戸をかってにあけて
人の家のご飯を食べちらかすから
敵視するくらい。

ご飯を食べられないように
寒い時期は、ぴっちりドアを閉めてた。

そんな島の猫事情。

と、ここ4日、5日前から
にゃーにゃーと子猫のような泣き声が
家の駐車場から
聞こえるようになった。

そーいえば、
お腹の大きな猫がいたから、
その猫、子ども産んだんだな〜
「お母さん〜お母さん〜こっち〜」
って、子猫が言ってるんだろうな〜と
聞き流していた。
次の日、
お母さん猫が
網戸越しにこちらを見てた。

ちらっとみて
どこかにさっと行くとおもいきや。
じーっと、こっちを見ている。

大きかったお腹は
凹んで、顔もやせこけてた。

その顔のやせ具合に、
さすがに
食べ物でもあげたほうがいいかと思った。

 

「メシ、メシ、メシくれ。」
と言うような強い目線。
でも、住み着かれてもこまるから
何もあげなかった。

 

と、次の日、
そのまた次の日も
子猫の泣き声が静かにならない。

こりゃ、母猫死んじゃったかな。。と。

ついに、夜寝付けないほど
気になるようになった。

だんだんと泣き声も
心なしか力弱くなっていて
力の限り声をだしてるように聞こえてきた。

「たすけてーたすけてー」
と言ってる様に。

気になり過ぎたから、
起きて、正体を確認しようと庭にでた。

その時間、深夜2時。

どこだろうと、薄暗い庭、駐車場を
携帯電話の明かりで灯す。

探すも、警戒してか
声はかすかにしか聞こえなくなった。
私の猫の泣き真似に
小さな反応が聞こえた。
にゃー。

 

と、聞こえた場所を
私は、疑う。

えっ・・・
まさか、ここ。。。

 

と、聞こえた場所は、
なんと、井戸の中。

 

 

聞き間違えでありますようにと
井戸の前で、
もう一度猫の泣き真似を。

 

にゃー。

確かに井戸の中から。

 

えっ。
まじ。
こわ。

でもでも、
それでも、私の聞き間違えかもしれないからと、
その日は、そうむりやり理解して部屋にもどり
これ以上、猫の泣き声が聞こえないように
ヘッドホンをつけ音楽をかけてむりやり寝た。

 

次の日の夕方。

仕事や、島の運動会を終えた後、
自分の聞き間違えであることを確かめに
井戸を覗く。

井戸の底には水がない。

どうやら、
この井戸は二階建てみたいになてるようだ。
中央部分にパイプが通り、
一階部分の水を吸い取る仕組み。
だから、私の覗いた、
二階部分は水がなく乾いていた。

が、しかし、深さは、5、6mはある。
そしてとてもとても暗い。

携帯の明かりで照らすも
猫らしきものを確認できない。

猫の泣き声も聞こえない。

やっぱり、聞き間違えかな?と。
音の反響とかでここにいるように聞こえたのかな?と。

 

念のため、と思って、
フラッシュ付きで写真を一枚。

すると。
写ってしまった。
光る二つの光。

そう、猫の目。

しかし、
辺りはすでに暗い。
今から、助けるにも暗すぎる。

とりあえず、
パンを投げて、
水をこぼした。

これだけあれば、どうにかもつだろう。

と、次の日。そう、今日。

残りのパンと水をまた井戸になげ、
仕事に向かった。
6時には助けるから待っててよ。と言い残して。

仕事をしながら、
この猫、もう4、5日も井戸の中か。。。
人間だったら精神的にもたんな。
なんて考えながら、
どうか、あと数時間死ぬなよと祈っていた。

仕事を終え、家につくと
私の他に、この家に下宿してるS君が
猫を救出した形跡が。

あっ、助けたんだ!良かった〜。

と、思う反面、
猫の顔を見たかったな〜と残念な気持ちもわいてきた。

 

安心して、ゆっくりしていると、

 

あの猫の声!

 

へっ!?
と、思って、井戸に向かうと、
部屋から出てきたS君が
まだ救出してないと。

へっ”!?と、
紐にバケツを結んでその中にシーチキンを入れたものの
なかなか入らないから入るの待ってたと。
再度トライだ、ということで、
可哀想だけど、猫に刺激を与えて、
無理矢理でもバケツにいれようということに。

長い棒を2本、ガムテープで繋げて
つんつんしても
ちっとも動かない。
そうとう弱ってるのか、
そうとう怖がっているのか。

S君、とりあえず、水をやろうと
水を流すと、
猫に直撃。

げっ、へたくそ。
と、猫が動いた。

これだ!
水を猫にあてて、
それでどうにかバケツに入れる作戦!

偶然から生まれた作戦でトライ。

水嫌いな猫は、びびって
井戸の中を動き回る。

動き回る、
動き回る、

と、その時
バケツの中に入ったーーー!!

 

今だーーーー!

 

引き上げろーー!!

よし、よし、良いかんじ。

と、最後の最後で、
井戸と中央のパイプが引っかかって
バケツがでない!

猫が目の前なのに!

 

と、猫がバケツから!
逃げる!

それは、ダメ!

と、急いで、猫を引き上げた!

と、引き上げた猫は
一目散に逃げて行った。

まだ、子猫だった。
シロと黒のシマシマ模様。

これからは(も?)強く生きろよ〜
お母さん見つかるといいね〜と声をかけて。

でも、最後に見つめた目は
怖がっていたな。

何がなんだかわからない。
そんな瞳だった。

 

数日前に見たやせこけた母猫は
この子猫を助けてと
私にお願いしていたのかと、勝手に想像。

でも、まぁ、助けられて、本当良かった。
一つの命を救ったんだな〜と思うと、じんわり達成感。

これで今日から、
気兼ねなく寝れる。
そして、
ひそかに、
鶴の恩返しならぬ、
猫の恩返しを期待している私。

 

期待するんじゃないと、わかりつつも。

 

 

(猫の写真は、なかったので、
猫のいそうな、島の道)


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