本屋で、ふと、思ったこと
本屋で、
ふと、刺繍の本に目がとまる。
ぺらぺらとめくる。
どこかの国の お母さんの刺繍。
ぺらぺらとめくる。
鮮やかな色
私が百回考えたって
思いつきそうもない模様
とても繊細な作業
ぺらぺらとめくる。
その刺繍、布、洋服には、
温度がある。
技術がある。
想いがある。
工夫がある。
時間がある。
文化がある。
それが出来上がった時の感情は。
それを受けとった時の表情は。
勝手な想像だけど、
それは、とても、豊かだった。
本を、
パタリと閉じて、
本屋をでた。
フロアーに広がる
ファッションとやら。
売り文句は、
流行りです。
とか、
最近入荷しました。とか。
私も買ったんですけどー。とか。
かわいいですよね。とか。
それだけかと。
そこには、
なにもない気がした。
私たちの手は、
きっと寂しがってる。
もっと、働けるのに、と。
と、いいつつ
洋服を買えば
私も嬉しいのだけれど。
そんなこを
ただ、ただ、
思った夕方5時。
私、次は刺繍に手を出そう。
そうしょう。